省エネ法・エネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版)標準入力法を使用する場合の電気設備関連事項のまとめ

1.評価の対象外とする室及び設備の考え方

1)現時点では標準的な使用条件を設定することが困難である建築物の部分

○ 評価対象外とする室及び設備の例

・ 工場等における物品を製造するための室、及び、その室と機能的に切り離すことができない通路スペース又は搬出入スペース
※ 但し、これらの室に設置される生産設備を制御するための制御盤室、監視室、機器や工具を保管するための倉庫、作業者のための休憩所や便所等については、評価の対象とする。
・ 冷凍室、冷蔵室、定温室(室全体が冷凍庫、冷蔵庫、定温庫であるものに限る)
・ 水処理設備、焼却設備等が設置された室
・ 電気事業、熱供給事業等を目的として電気や熱等を生産、供給するための室
・ データセンター(コンピュータやデータ通信のための設備を設置・運用することに特化した建築物又は室)における電算機室
・ 大学や研究所の実験室等において、温熱環境や空気質等を高度に制御する必要がある室(クリーンルーム等
・ 研究室等において使用される有害ガス用の局所換気設備(スクラバー、ドラフトチャンバー等)等の特殊な環境を維持するための設備
・ 実験室、動物園、水族館、遊園地、博物館等において特殊な温熱環境、視環境を維持する必要がある室
・ 機械式駐車場(従属用途も含む、吊上式自動車車庫や機械式立体自動車車庫等)
・ その他エネルギーの使用の状況に関してこれらに類する室及び設備

2)常時使用されることが想定されないもの

a) 防災、安全、防犯、避難又はその他特殊な用途のための室及び設備

○ 評価対象外とする室及び設備の例
・ 免震、制震設備等が設置された室
非常用の発電設備、バックアップ用機器等が設置された室
・ 水害等の災害対策のために設けられた室(特殊な監視盤等が設置される室、排水ポンプ等の設備機械室等)
・ 常時運転しない非常用発電機室の機械換気設備
・ 予備機としての空気調和設備、機械換気設備
・ 蓄電池室の水素除去用機械換気設備
・ オイルタンク室の油分除去用機械換気設備
・ 不活性ガス消火の鎮火後用の排風機のように常時運転されない機械換気設備
常時点灯しない階段通路誘導灯

b)融雪及び凍結防止のために設置された設備

○ 評価対象外とする設備の例
・ ロードヒーティング
・ ルーフヒーティング
・ 送水管・排水管ヒーティング
・ 凍結防止ヒーター
・ 融雪設備(散水融雪設備、無散水融雪設備、温水パイプ融雪設備、電熱線融雪設備、ルーフドレインヒーター)
・ その他エネルギーの使用の状況に関してこれらに類する設備

2.評価の対象となる設備の詳細(照明設備)

評価対象となる照明設備は、評価対象建築物の水平投影面積内に設置された照明設備をさし、次のように定義する。


a) 主として作業上または活動上必要な照明を確保するために屋内もしくは屋外(照らす範囲が明確である屋外駐車場やピロティ等に限る)に設けられる照明設備。
b) アンビエント照明と一体で計画され、設計図書上にその配置や仕様等が記されているタスク照明。
c) 明視性確保が主たる役割であるが、明視性確保以外の役割も併せて備える照明設備(階段通路誘導灯等)

一方、次に示す照明設備は、評価の対象とはしない


a) 避難用、救命用その他特殊な目的のために設けられた照明設備(航空障害灯、ヘリポート灯火、進入口赤色灯等)
b) 安全性確保のための照明設備(誘導灯、非常時のみ点灯する非常灯等
c) 明視性確保のための照明設備のうち、以下に掲げるもの
タスク照明など、コンセント接続される照明器具であり、設計図書上に記されていないもの。
 高度な機能や目的を有する照明設備(手術室における無影灯等)
常時点灯されず、年間点灯時間が非常に短い室の照明(設備シャフト等)
 常時点灯されないとは、年間点灯時間が 50 時間程度(1 週間に 1 時間程度)以下であるものを目安とする。
d) 演出性確保のためのカラー照明(ショールームにおける展示照明、舞台や宴会場、美術館における演出のための照明、広告灯等)

照明設備の入力項目と係数

表 4-1-1 在室検知制御

選択肢適用係数
下限調光方式連続調光タイプの人感センサーの信号に基づき自動で下限調光または点滅する方式0.95
点滅方式以下のいずれかに該当する方式
・ 熱線式自動スイッチによって回路電流を通電/遮断することにより自動で点滅する方式
・ 点滅タイプの人感センサーの制御信号に基づき自動で点滅する方式
・ 器具に内蔵された点滅タイプの人感センサーの制御信号に基づき自動で点滅する方式
0.70
減光方式以下のいずれかに該当する方式
・ 段調光タイプの人感センサーの制御信号に基づき自動で減光する方式
・ 器具に内蔵された段調光タイプの人感センサーの制御信号に基づき自動で減光する方式
0.80
上記以外1.00

表 4-1-2 明るさ検知制御

選択肢適用係数
調光方式連続調光タイプの明るさセンサーの制御信号に基づき自動で調光する方式0.90
調光方式 BL連続調光タイプの明るさセンサーの制御信号に基づき自動で調光し、自動制御ブラインドを併用する方式0.85
調光方式 W15連続調光タイプの明るさセンサーの制御信号に基づき自動で調光する方式
・ 開口率が 15%以上であること。
0.85
調光方式 W15BL連続調光タイプの明るさセンサーの制御信号に基づき自動で調光、自動制御ブラインドを併用する方式
・ 開口率が 15%以上であること。
・ 自動制御ブラインドの敷設率が 50%以上であること。
0.78
調光方式 W20連続調光タイプの明るさセンサーの制御信号に基づき自動で調光する方式
・ 開口率が 20%以上であること。
0.80
調光方式 W20BL連続調光タイプの明るさセンサーの制御信号に基づき自動で調光、自動制御ブラインドを併用する方式
・ 開口率が 20%以上であること。
・ 自動制御ブラインドの敷設率が 50%以上であること。
0.70
調光方式 W25連続調光タイプの明るさセンサーの制御信号に基づき自動で調光する方式
・ 開口率が 25%以上であること。
0.75
調光方式 W25BL連続調光タイプの明るさセンサーの制御信号に基づき自動で調光、自動制御ブラインドを併用する方式
・ 開口率が 25%以上であること。
・ 自動制御ブラインドの敷設率が 50%以上であること。
0.63
点滅方式以下のいずれかに該当する方式
・ 連続調光タイプの明るさセンサーの制御信号に基づき自動で点滅する方式
・ 自動点滅器の明るさ検知によって回路電流を通電/遮断することにより自動で点滅する方式
・ 熱線式自動スイッチ(明るさセンサー付)の明るさ検知によって回路電流を通電/遮断することにより自動で点滅する方式
0.80
上記以外1.00

表 4-1-3 タイムスケジュール制御

選択肢適用係数
減光方式予め設定された時間に応じて照明器具を減光する方式0.95
点滅方式予め設定された時間に応じて照明器具を点滅する方式0.90
上記以外1.00

表 4-1-4 初期照度補正機能

選択肢適用係数
タイマ方式(LED)LED 照明器具を対象とした内蔵タイマにより光束を一定に保つ方式0.95
センサ方式(LED)LED 照明器具を対象とした明るさセンサを用いて光束を一定に保つ方式0.95
タイマ方式(蛍光灯)蛍光灯器具を対象とした内蔵タイマにより光束を一定に保つ方式0.85
センサ方式(蛍光灯)蛍光灯器具を対象とした明るさセンサを用いて光束を一定に保つ方式0.85
上記以外1.00