消防法の非常電源専用受電設備

消防法の非常電源には非常電源専用受電設備、自家発電設備、蓄電池設備、燃料電池設備があります。

この中で非常電源専用受電設備は

・屋内消火栓設備
・スプリンクラー設備
・水噴霧消火設備
・泡消火設備
・屋外消火設備
・自動火災報知設備
・非常警報設備
・排煙設備
・連結送水管
・非常コンセント設備
・無線通信補助設備

において、一定の条件(特定防火対象物で、延べ面積1,000m2以上は不可)のもと使用してよいことになっています。

自家発電設備、蓄電池設備、燃料電池設を別途用意する必要がないためコスト削減にもつながります。


その設置方法は消防法施行規則12条1項4号のイに規定されており、

高圧・特別高圧受電の場合は「専用不燃室」に(一般的な)受変電設備を設置することにより非常電源専用受電設備となります。

なお受変電設備を屋外または屋上(主要構造部を耐火構造とした建築物に限る)に設置する場合も非常電源専用受電設備として認められ、その条件は、隣接物から3mの離隔をとるか、その離隔が3m未満となるときは隣接物が不燃材料かつ開口部に防火戸を設けることとなっています。

その他、消防法告示基準を満たした「キュービクル式専用受電設備」にすることで専用でない不燃室に設置できたり、屋外または屋上の離隔を1m程度にすることができます。スペースに制限がある場合はコストは掛かりますが、選択肢に入ってくるでしょう。

低圧受電の場合は引込用分電盤等を設置することになりますが設置する場所によって、一般形の分電盤、耐熱形の分電盤(一種耐熱形、二種耐熱形)を選択することになります。